日経225に新規組み入れが決定した銘柄の株価はどう動くのか?ーキオクシアの新規組み入れを受けてー
発表直後から組み入れ日まで、なぜ株価が急騰するのか。メカニズムと過去事例などを解説。
📅 2026年3月更新 📖 読了目安 10分 👤 中〜上級者向け
「日経225に採用された銘柄の株価が急騰した」というニュースを聞いたことがある方も多いでしょう。でも、なぜ指数に入るだけで株価が上がるのか、その仕組みを正確に理解している人は意外と少ないものです。
この記事では、①インデックスファンドの機械的需給という根本メカニズム、②発表から組み入れ日までのフェーズ別値動き、③SHIFT・ZOZOなど直近の具体事例——の3軸で解説します。
投機的に乗っかっていいのか、危険なのかについても考察します。
第1章|なぜ株価が動くのか——根本メカニズム
第2章|フェーズ別・株価の動き方
発表〜組み入れ完了までの典型的な値動きパターン
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PHASE 0 / 採用予想発表前 アナリスト予想が飛び交い、思惑で株価が先行して動く 毎年8〜9月になると大手証券各社が採用・除外予想を公開します。この段階から「採用候補」とされた銘柄には先回り買いが入りはじめます。ただし予想が外れた場合は反落リスクもあります。 |
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PHASE 1 / 採用正式発表日(通常9月第1週) 発表翌営業日に急騰——最も株価インパクトが出やすいフェーズ 過去の事例では、発表翌日に5〜20%超の急騰を記録したケースも珍しくありません。ただしこの段階はすでに「買った後」の参加者が多く、出遅れると高値掴みになりやすいです。 |
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PHASE 2 / 発表後〜組み入れ前日 上昇継続か、ジリ安か——思惑と実需が混在する”混戦期間” 発表から組み入れ日まで通常3〜4週間あります。先回り買いによる高値から利益確定売りが出やすい局面です。「発表後にいったん落ち着き、組み入れ前日にかけて再上昇」というW字型の動きをすることもあります。 |
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PHASE 3 / 組み入れ前日の大引け(最重要) インデックスファンドが「前日の終値」で機械的に大量買い インデックスファンドは組み入れ前日の大引け(クロージングオークション)での執行が基本です。引け間際に大商いが発生し、株価が急騰するケースが多く見られます。ここが実需のピークです。 |
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PHASE 4 / 組み入れ後(アフター) “出尽くし”で反落——インデックス需要が消えた後の現実 組み入れ完了後はインデックスファンドの強制買い需要がなくなります。先回り買いをしていた投資家が一斉に利益確定売りを出すため、組み入れ直後に株価が反落するパターンが多いです。学術研究でも「採用後15営業日あたりから下降傾向に転じる」と指摘されています。 |
第3章|過去事例——採用銘柄の実際の値動き
SHIFT(3697)
ソフトウェアテスト・品質保証のリーディングカンパニー|除外:シチズン時計
2025年9月8日に採用を発表。大和証券など複数の国内大手証券が事前から「採用最有力候補」として予想していたため、発表前から先回り買いが入っていた状況でした。
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代表4ETF試算・必要買い 約235億円 |
外資系証券予想 約340億円 |
平均出来高比 約8.9倍 |
📌 ポイント
SHIFTは事前予想で最有力視されていたため、正式発表前から株価が動き始めていました。「予想段階での先回り」が利益を出しやすかった典型例です。
ZOZO(3092)・ディスコ(6146)・ソシオネクスト(6526)
3銘柄同時採用|除外:宝HD・住友大阪セメント・大平洋金属
ZOZOは発表翌日から買いを集め、その後も上値追いが続きました。一方、除外候補銘柄は「事前の空売りの反動」で、発表後に予想に反して上昇するという逆説的な動きも見られました。
💡 2024年の注目点
除外と発表されていた宝HD・住友大阪セメントが発表後に上昇するという教科書と逆の動きをしました。「除外を読んで事前に空売りしていた投資家が買い戻した(ショートカバー)」ことによる反動上昇です。
キーエンス(6861)・村田製作所(6981)・任天堂(7974)
新ルール(株価換算係数)導入後初の入れ替え
株価換算係数という新ルールが導入された最初の定期見直しでした。キーエンス・任天堂は値がさ株のため旧ルールでは採用されにくかった銘柄。新ルール導入により一気に採用されました。
⚠ 市場へのインパクト
除外の3銘柄(日清紡HD・東洋製罐・スカパーJSAT)は「除外によって下落するのでは」という思惑があったものの、発表後は「出尽くし感」から日経平均先物が夜間で上昇するという展開でした。
第4章|近年の採用・除外銘柄まとめ(2021〜2025年)
| 実施日 | 新規採用 | 除外 |
|---|---|---|
| 2025年11月 | イビデン(4062) | ニデック(6594) |
| 2025年10月 | SHIFT(3697) | シチズン時計(7762) |
| 2025年7月 | ローム(6563) | NTTデータグループ(9313) |
| 2025年4月 | ベイカレント(6532) | 三菱倉庫(9301) |
| 2024年10月 | 野村総研・良品計画 | DIC・日本製紙 |
| 2024年4月 | ZOZO・ディスコ・ソシオネクスト | 宝HD・住友大阪セメント・大平洋金属 |
| 2023年10月 | メルカリ・レーザーテック・ニトリHD | 日本板硝子・三井E&S・松井証券 |
| 2023年4月 | オリエンタルランド・JAL・ルネサス | 東邦亜鉛・東洋紡・日本軽金属HD |
| 2021年10月 | キーエンス・村田製作所・任天堂 | スカパーJSAT・東洋製罐GHD・日清紡HD |
第5章|個人投資家はどう動くべきか
「採用されたら株価が上がる」という知識を得ても、実際の取引に活かすことは簡単ではありません。
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戦略① 有効なアプローチ 採用が”確実視”される前に仕込む 採用条件(流動性ランキング上位、セクターバランス等)を自分で読んで先行保有しておくことが最も利益が出やすいです。正式発表後より「発表前の期待感」の局面の方がリスクリワードが良い傾向があります。 |
戦略② 要注意ポイント 正式発表後の飛びつきは高リスク 発表翌日に急騰した後に買うのは「高値掴み」のリスクが高いです。インデックスファンドの買いが完了する組み入れ日以降は需要が消えるため反落しやすく、過去データでも「採用後15営業日以降に下降傾向」が確認されています。 |
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戦略③ 空売りのリスク 除外銘柄の空売りも一筋縄ではいかない 「除外されたら下がる」は直感的に正しいですが、事前の空売りが集中していた場合、発表後に「ショートカバー(買い戻し)」で一時上昇することがあります。2024年の宝HDなどがその例です。 |
戦略④ 中長期投資家の視点 採用後の反落局面を狙う 日経225採用は「流動性・業績・知名度」の総合評価で選ばれた証です。採用後の反落局面で割安になったタイミングを狙って中長期保有するのは、ファンダメンタルズ的に合理的な戦略です。 |
⚠ 冷静な現実認識として
「採用候補を正確に当てること」は個人投資家には至難の業です。情報優位なプロ・外資系の先回りが既に入っている中で後追いで勝つのは難しいです。「知識として理解する」と「実際に利益を出す」の間には大きなギャップがあることを忘れないでください。


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